ひどくもろくみえずらくさわれないもの/あらい
 
むのですが。
 なんていっても 帆を上げれない・なんて。おもえば・座敷に経る波紋に抜かれる。(もう掴めない風通しの両足、枝々と祀られる卑しい蛇を消せない、恋人が溺れている)?有り触れて?ゆずらない ほんとうのことは。手のひらで著すけれども。迂曲するばかりに蔑んだ価値判断を、確かに。胸苦しい山頂には残照が灰で煤で、泥を吐く冬戯(ふゆざ)れに、ある寂寥の旋律はふと咲(わら)う。

  意識朦朧の閃光でしょうか

 あまり立見席はまだを識らないが。切ないおもいででも、途して締まって。塊の体系をまた肩紐の堅物の片方の形見だけ傾きつつある。白栲の余情だなとやはり責め立てるこのザマだ。引
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