ひだかたけし氏の「熱の同心居」を読む/朧月夜
なかで、氏は珍しく政治的な表現をしているように感じられます。否、たぶんそう書けば氏は「これは直観に基づく表現であるのです」と反論されるとは思うのです。ですが、氏の見て来た世界・社会・環境において、人がどう生きてきたか、ニュースはどう動いたか、といった感想が、言葉の端からこぼれるように表れています。この主張に異を唱える人はいないでしょう。たとえば、氏の時事的な感覚などは、以下の部分にも表れています。
スマホ歩きする若者達避け歩き進みながら
もっとも、上に挙げた引用が、氏が時事的な主張をするために書かれたものだとは、わたしも思っていません。氏の感じる自然(都市、あるいは都会も現代にお
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