ひだかたけし氏の「熱の同心居」を読む/朧月夜
、そこに詩人の苦しみがあると認識している故です。
この詩においては、すべてが叙述のみによって成り立っています。──抒情? そうしたものもないわけではないでしょう。読み手によっては、ここに氏の「抒情」が現れているように錯覚することもあるかもしれません。しかし、それは真に「抒情」でしょうか? わたしにとっては、それよりももっと重い意味での「叙述」が貫かれているように思えるのです。もちろん、「抒情」「叙事」「叙述」の違いについて、ここでは詩を読む前に深く考えていただければ、と思うものです。
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さて、この詩人における、この詩において、読者は何を感じ取るべきなのでしょうか。わたし
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