ひだかたけし氏の「熱の同心居」を読む/朧月夜
 
化していく、そこに読み手は「どきどき」あるいは「わくわく感」を感じ取っても良いような気がするのですが……

 ですが、わたしがこの詩に見て取り、感じ入ったのも、そこに<政治的な感覚>が表れているからではありません。そこにあるのは、逆に<平和的な感覚><平和の脆さ・危うさ>なのです。わたしが何を思ったかと書けば、その<脆さ・危うさ>の表現が至高だと言うことです。平和な社会は平和な人生を招き、平和な感覚を招聘する──無自覚にそのようなことを考える読者もいると思うのですが、この詩に現れているのは、決してそのような単純な思いではなく。

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 この詩のなかでほっとするのは、以下のような(
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