夏にあう、かんじ/鏡文志
拾うのではなく、目もまた音を拾うのだ。晩年のベートーヴェンのように、人は耳がなくなれば、頭の中が歌い出す。その音は、聴覚なき音楽であり、歌だ。床は永遠に体の落下を防いでくれるようで、時間の経過はそれを許してはくれない。
「雑往来母 邪子戸 絵似胃上胃湯 道雨」
そこで、じっと目を凝らしていると、床は歌い出し、ロックンロールを踊り出す。侮れない。音楽は時間の経過による安定と、不安定を我々に教えてくださる。オージーザス、カモンロックンロール。アロハフロムハワイ♪ カモナベイベー♪ 鴨鍋♪
私は、家庭内暴力に抵抗し、警察の怠慢による誤認逮捕後、罪に問えない内容のため、精神病院に入院後、思春期か
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