亡霊の告白/秋葉竹
 

好きなひとがいて
そのひとが
いるから日々の生活が輝くんだと
想っていたのは
ほんとうの慰めだっただろう

美しいひとで
その挙動を追うじぶんの目が
恥ずかしくなるくらい
明るく笑うひと
隣に座られたら
ドキドキする
なにか
甘い切り傷を心に刻むような
香りがするひとなんだ

なんだか
ストーカーってダメな犯罪なんだけど
あのひとのストーカーになら
なりたいと
これはもしかしてあまりよろしくない
告白ですね
一度だけ
ふたりきりで
夜に
並んで歩いたことがある
夢じゃないよ
けど夢心地だったよ
照れちゃって照れちゃって
言葉が出て来ない
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