怪談/ホロウ・シカエルボク
 
リーゴーランドのように見えた、灯台が今でもその役割を担っているのかどうか、まだ明るい今では知る由もなかった、周囲の草がきちんと刈られているので、もしかしたら現役の灯台なのかもしれない、風も吹いていないのに首吊り死体はゆらゆら揺れていた、そこにはどんな感情もなかった、本当にただ、そういうふうになっているからというようにゆらゆらと揺れていた、揺れている死体の性別、年齢は様々だった、ただ、子供は居なかった、(ここにまとめられているのかもしれない)と俺は思った、過去にこの山で、命を絶った連中がここにまとめられているのだ、それはいつまで経ってもただ前後に揺れているだけで、それ以上どんなことも起こらなかった、
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