怪談/ホロウ・シカエルボク
の階段はここにあるものとはまるで違う場所にあった、もしここから展望広場に行くとすれば、かなりの回り道になるだろうという見当はついたのだ、ではこの階段はいったいなんだ?俺は上ってみることにした、上るうちにあることに気が付いた、視界に入るうちはなにも見えないが、通り過ぎる瞬間、ぎりぎり目の端に止まるあたりで何かが見える、俺は立ち止まってみた、顔をそちらに向けると消えてしまうのだが、顔を動かさずに目玉だけを動かしてみるとちゃんと確認出来た、そいつは木にぶらさがった首吊り死体だった、しかし、驚いてつい顔を向けてみるとやはりそこにはなにもなかった、ということはこれは残像のようなものだ、この階段のどこかでそう
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