遍在した/由比良 倖
風が私をかき消せばいい、コンピューター風は青い慰めに似ていて、
部屋の中、私の嗚咽はプラスチックを吐き出す、欲求不満には、
死をぶつければいいです。
ほら何も生み出せない私の頭の中には、
日本語が子葉を、でもそれよりもずっと深い根毛を、
ほら何も生み出せない私の頭の中には、私よりもずっとずっと深い海底が、
そこには白い花、それさえ見せられたらな、私はあなたよりもずっと暗闇に似た何か、
風、乾いた偏光風を示せるのに、赤いプラスチックに似た根っこには、
私とあなたとのプラグ、それは金のコネクターだから、経年変化はない、
チープで、私とあなたには永遠の微笑みが似合っているね。
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