嵐の痕/秋葉竹
激しい 嵐が 過ぎ去った
そのあと
訪れる 新しい光や やさしい安息は
まるで愛する人のように
僕のこころを そっと くるんでくれる
すべてを 許せるくらいに
憎しみを 手離せるくらいに
嵐の 夜を 越えて
いると 想う いや 想いたい
あの 二度と手に入らない栄光や
そして 二度と手に入らない あの微笑み
活けた
花
の
花びらが
ひとつ ふたつ 散るように
しとしとと降り頻る彼女の涙みたいな
夜の夢の痕
が
切り裂いた胸の傷は乾きはしても
けっして消えない不揃いな悲しみとなる
ころは
過ぎた
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