裏路地にある宿根草の群れは渇れて生きるか/あらい
 
に眼を泳がせる 日常をはじめ
 /些細なことにバタバタと波打つ宝石箱は
   数式と こころひとしく
 /この観賞魚たちは当然 
   ガラスケースの惰性ばかりが肯定される設定で
 /苔むした自己了解で泳ぎ回り 
   翡翠(カワセミ)とでも名付けて空に放てばよかったのだろうか
  
//この手動の心臓を毟り 駆り立てる ひたすら片頭痛の海は
  粗く凪いで/すこしずつかさんでは 形骸をさらしていく

『暗渠にある根無し草(デラシネ)の群れは嗄れて生きるか』

 常に真っ当な耄碌さ、きっと未熟な余生よ
 なら低い唸りの鼓動のごとく佇むアレは 
 より退色し
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