詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その3。+あとがき/たま
 
島影はひとつもなくて、とうとう見つからないままに日は暮れてしまった。


 カミオカンデ

空路から見下ろす
街の灯りはどれも小さく
星のような灯りの影に
粒子のような人びとが群れて
息づく気配がする
まどろみの中で
機体がゆっくり傾いて
真っ黒な海面が見えた
あの海へと
まっすぐ堕ちて行きたいと願うわたしは
やはり
流れ星の末裔なんだろうか



  散文の海へ9

 夜の海は物語が好きだ。
 船室のテントに潜り込んだわたしは、ノートパソコンをひらいて半分しかない、というのはすべて書きかけの、拙い小説を書いた。


  ガリレオ式望遠鏡を持つ女
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