torrential rain/ホロウ・シカエルボク
 

望むとか、望まないとか、そんなもの、特別人生において重要な事柄でもないだろう、何の意味も無く道端でいきなり切り刻まれるやつだって居るさ、夢を見続けるやつなんて阿呆だ、だけど諦めを達観のように語るやつだって阿呆には違いないのさ、六月の街はいきなり容赦ない雨にただ濡れていた、ビニール傘を挿して歩くのにも飽きて、潰れた商店のテントの下に隠れて座り込んでいると、生まれてからずっとそこに腰を下ろしているような気がした、鼻歌はうろ覚えで、ペットボトルのコーヒーの味はいまひとつだった、謳い文句を考えるよりも先にすることはいくつもあるだろうに、でもそんなことを言っても仕方が無かった、少なくとも、現時点で俺にと
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