雨降りお月さま/朧月夜
やって来ると。
そうして魂を空っぽにして、
毎日を何気なくやり過ごすんだ。
「退屈、退屈」って言いながら、
退屈ほど尊いものも、ないのだって。
だって、お掃除だってお洗濯だって、
退屈だから出来るのだって。
理想とは縁遠い、皆の心ばせを、
きっと隠れんぼをしている、
お月さまは見ているのに、さ。
悩みや迷いは多いよね。分かるよ?
きっと一杯の紅茶やコーヒーに、
癒されて僕らは、自分へと帰る。
ありのままの、裸のままの心へ。
ああなんだか、気が遠くなりそうだよ。
雨降りお月さまは、どこへ行く?
色んなものを携えて、笑って、
「ここまで来いよ」って、
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