詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その2。/たま
はしたか、もうすぐ
わたしの年齢に追いつくことを知っているか
過ぎ去った日々の
晴れた日と
雨の日をかぞえてみても
それは昼と夜の等しい数をかぞえるように
無意味なことだとおもわないか
季節だけが
たしかな暮らしを運んでくる
晴れた日は、犬のように風をあおぎ
雨の日は、猫のように眠ればいい
それでも追いつける夢はあるはず
老いることは
どうしようもなく忙しいことだと知っていても
雨の日の猫は眠りたい
だから、もう――
散文の海へ5
詩は終わりのない小説だという。
なるほどとおもう。詩はとりとめのない意識や、不確かな記憶を書きとめたメモ帳みたい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)