Sat In Your Lap。II/田中宏輔
 
ゆることのもとだったんだ。
(アントニイ・バージェス『ビアドのローマの女たち』7、大社淑子訳)


そうして、そういった能力がますます高くなっていくと、しまいには、


認識する主体と客体は一体となる。
(プロティノス『自然、観照、一者について』8、田之頭安彦訳)


といった境地にまで至ることがあるかもしれない。しかし、それは、あくまでも、そういった境地に至ることがあるというものであって、じっさいに、認識する主体と客体が一体化するということではないのである。


 さもなければ、知性が認識の対象を変えることはできないはずで(……)知性が認識の対象を変えるとは、或る可知
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