詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その1。/たま
 
もうからだ。しかし、なにを担保にこのわたしが許されたひとであるのか。もし、そんな担保がわたしにあるとすれば、年金詩人として詩を書くことを許されたひとという、わたしの誇りというか奢りというか、そんな曖昧なものしか見当たらなくて、早い話しがわたしの妄想なのだが、ひとそれぞれに生きることの大義名分を掲げるとしたら、その大義名分とやらは、個々の妄想から生れ落ちたものにちがいないとわたしはおもう。

 パジャマのボタンを掛け違えたみたいな居心地の悪い夢のなかで、きのうの夢のつづきばかり見せられて。もうすっかり見飽きたからと、カーソルを持って、ここじゃないどこかにわたしの知らない夢のつづきがあるような気が
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