詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その1。/たま
との子だから、塵みてしまったら分別しなければいけないが。波打ち際に打ち上げられたヒトデみたいなもので、海星と書けば罪もなく可愛いが。めったに見ることのないオニヒトデみたいなものだったら、まず気持ち悪くてさわれないし。かといってビーチに穴をほって埋めるのも悪寒がして。結局は見なかったことにしてそのまま放置される。それが年金詩人の一生涯だと。特定健康診査予診票の欄外に記載されていたとしても、わたしはあえて否定しない。むしろよろこんで受け入れるだろう。
分別不可能な塵みであることのよろこびというか。与えられた平等であるまえに。生まれ落ちたままの犬や猫みたいに生きることを許されたひとでありたいとおもう
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)