詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その1。/たま
闘したあげく。なぜこんなことで疲れなければいけないのだろうか。と、目覚ましアラームが鳴るまえのスマホを手にして、笑えないのに笑ってみたくなるのも、やはり、このわたしがすでに塵みているからだろうか。
でも、雨の日の朝はほんとうに笑ってしまう。
猫みたいな暮らしぶりのわたしのしごとは雨天休業だったのだ。それで、というか。わたしのスマホは朝の目覚ましと、あしたと明後日の天気を知るための道具でしかなく。午前五時五〇分にセットした目覚ましは、なぜそんな半端な時間であったのかも忘れてしまったまま。週に三日。月水金に役立つだけで。ふだんはスマホを必要としない年金詩人だった。
その年金詩人もひとの
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