詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その1。/たま
 
ばかりが気になるのだ。
 あの水平線に。


  このわたしを超えていくもの

短歌を超える詩が、あってもいい
詩を超える短歌が、あってもいい
詩人も、歌人も夜はおなじ寝床で肌をよせあって
眠るのだとおもう

今日はもうなにも書けなくて
はやくお風呂にはいってあしたにしよう、なんて
のんきにかまえているけど
あいにく、このわたしに詩心はなくて
あるのはあさましい恋心だけなんだとおもう

歌が先なのか、恋が先なのか
それさえわからなくなるほど恋をしては
詩を編んで
歌をうたってきたけれど
なぜか、恋はいつも他人でしかなくて
体温をなくした歌だけがのこってし
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