詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その1。/たま
 
であって、文脈のつながらない寄せ集めでは詩集とは呼べない。それであってもなんとか「一冊の詩」にならないものかと思案した挙げ句、小説のなかに詩を埋め込んでみたらどうだろうかとおもい付いたのだが、たしかにそれが成功すれば「一冊の詩」と呼べるだろう。しかし、そんな器用貧乏みたいな小説が成功するわけもなく、ダメで元々、これは小説ではなく「一冊の詩」なのだと浅はかに主張するしかないとおもう。
 そんなわけでこの詩集には目次がない。目次がないと不便なこともあるから、詩作品はあいうえお順にならべることにして、なるべくその不便を緩和したが、多少の入れ違いがあっても気にしないでほしい。


  あの日のマリ
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