詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その1。/たま
 
 雨は詩歌。
 雨はメタファー。
 雨はわたし。

 一冊の詩。それがわたしの夢だった。


  散文の海へ1

 ひとはいつから塵みるのだろうか。とか。
 もうすでにわたしは塵みているのだろうか。とか。そしたら、わたしは、いつ、どこで、分別されたのだろうか。とか。たぶん、塵みるのはひとだけだとおもうから、わたしが犬や猫だったら塵みることはないのに。とか。
 そうして、今日拾いあつめた塵みをすべて投げ捨てて、夢の入口で分別しなければ今夜は眠れないような気がして、午前零時をすぎても分別の終わらない日は、瞼の裏とか、耳の奥とかに蓄積した、今日の疲れが燻りはじめて、やがて、火を吹く
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