だれか、お願い/秋葉竹
じっとしている
髪を撫でられているとき
じっとしている
髪を撫でてあげている
ときの君の肩
消えてしまうと立ってられないのは
からだ中の関節
一番悲しく怖いのは
からだ中の感性が消えて無くなること
目にみえるものだけが
『在る』って
ホントみたいな血の色の嘘
『だれか、お願い』
みたいな呼びかけは
もう
しないんだ
『神さま、どうか………』
みたいな敬虔な祈りのあとのお希いも
もう
しないんだ
だれかに
なにかを
ちゃんと
伝えられるという長いトンネルみたいな
出口のなさげな勘違いに
いやっていうほど
傷つ
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