ふざけた世界にさよならを/ホロウ・シカエルボク
が増えた、でもそれも、三日ぐらいのことだった
次第に夜目が聞くようになり、身体も思い通りに動くようになった
地形を見ただけでどのように走ればいいのかわかるようになった
一晩中走ると翌日の夜にはきちんと眠ることが出来た
一か月もするとそれが俺の通常のサイクルとなった
もうゴーストタウンには行かなかった
走り続けるうちにこの山の性格のようなものがわかり始めていた
どこに植物があるのか、どこに動物が隠れているか、そんなことが
二年が過ぎた、俺はもう暮らしそのものの意味を問うことをやめていた
生き続けることだけが俺の目的だった
ふたつの死が俺の背を押し続けた
歳を取り始めていたが
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)