ふざけた世界にさよならを/ホロウ・シカエルボク
 
は完全に同意だった

君とどれぐらいそうして過ごしたのか今では思い出せない

ある年の冬の朝、俺は
冷たくなった君を抱いて旧市街の路の上に居た
理由なんてわからなかった、もう、誰の
どんな声も聞こえなかった、数日もすると俺は
誰かと話をするやり方すら忘れてしまった
俺がやるべきことは、旧市街の端っこの空地に君の墓を作ることと
それまでふたりでしていた暮らしをひとりで続けることだった
また俺は置いてきぼりにされた
たったひとりで眠れない夜が増えた
いつからか俺は眠れない夜には走るようになった
明かりひとつない山の中を走るのは容易なことでは無かった
躓いては転び、生傷が増
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