ふざけた世界にさよならを/ホロウ・シカエルボク
 
歩き出そう
バランスを取ることを忘れたらすべてが駄目になる

永遠の死のような岩肌の続く道を
滑らないように気を付けて旧市街を目指す
爆撃のあとが残る道を
僧侶のような目で見つめながら
実際俺たちは
難しいことなんかなにも考えちゃいなかった

親父は俺が十五のときに
神様に命じられるままに
C4を抱いて異教徒の群れに飛び込んで飛散した
「父親のことを誇りに思い続けろ」と
リーダーは笑顔でそう言った
俺はそいつの額を改造拳銃で撃ち抜いて
君を連れて街を飛び出した

なにも難しいことなどなかった
くだらない連中とは早く手を切るべきだった
拳銃は随分逃げたあとで処
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