引用の詩学。/田中宏輔
されなかったものは、どのようにして復活したらよいのであろう。
(カロッサ『ルーマニア日記』十二月十五日、金曜、三時四十五分、登張正実訳)
墓のあるところにだけ、復活はあるのだ。
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第二部、手塚富雄訳)
生きのびるとは何度も何度も生れること
(エリカ・ジョング『飛ぶのが怖い』19、柳瀬尚紀訳)
生まれるとは、前とは違ったものになること
(オウィディウス『変身物語』巻十五、中村善也訳)
ただ、新しく造られることこそ、重要なのである。
(ガラテヤ人への手紙六・一五)
詩は言葉のために言葉を語る。
(ホフマンスタール
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