引用の詩学。/田中宏輔
した瞬間というものが、あれだったのかなと思われる。愛するものはリアルである。愛する者はリアルである。愛するものは現実である。愛する者は現実である。現実はリアルである。愛は現実である。現実は愛である。
今こうしてここにきみはいる、新しい型の中の旧い自我。
あの根の何本かは強靱になったようだ、死んだのもあるが。
語れ、僕に語れ、僕はきみに頼む、
瞬間の一つ一つが何をするのか、したのか、するつもりなのか──
(ジェイムズ・メリル『イーフレイムの書』S,志村正雄訳)
ユングは言う──言わないにしても、言っているに等しい──
神と<無意識>は一つであると。ふむ。
(ジ
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