Desolation Angel/ホロウ・シカエルボク
 

ディランが何やら小難しい歌を喚き続けているのでハイウェイの方に近付くのは辞めにした、そもそも騒々しい場所はもとから好きじゃないし、道もあれこれと入り組んでいる上に一方通行も多くて面倒臭いことばかりだしね、それで人気の無い場所で小休止して詩を書くことにしたんだ、少し前からなんだか脳味噌がうずうずし始めているのを感じていたからね、あれこれと自動書記のような感覚でぼんやりとしたことを指先に訳してもらいながら本当に不思議なものだと考える、若い頃は老いることが嫌だった、というか、老いる前に死んでしまうのではないかと思っていた、自分の肉体か魂が、標準的な人間の感覚ほど上手くは運ばないものだとどこかで感じて
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