ホワイト&ブルー/ホロウ・シカエルボク
 
中の語る人生は、週刊誌に書いてあるようなものばかりだよ、やつらにとって情報は認識されるだけのもので、飲み込んで消化するようなものではないんだ、数年前までは営業していた商店の入口は自動販売機で塞がれていた、僅かに露出している窓の中には、薄暗がりで待ちぼうけを食らっているみたいな懐かしい棚が見えた、もう何度そんな光景を目にしただろう、終わった世界の終われないものたち、それは寂しさや哀しさではない、ただただ空虚なのだ、そしてそれは覗き込んだ連中に向かってアメーバのように伸びて、その空虚の中に引き摺り込んでしまう、知るべきだよ、俺たちみんな本当はからっぽなんだ、その前提のもとに、どうして生きるのかという命
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