夢醒/雑魚ヒロシ
 
るのだ。
彼女たちは一体何者なのだろう?
それを問うことは全くの無意味だ。
彼女たちは私がここを訪れ始める以前からここにおり、
それどころか、
この空間が現れる以前からここにいたのだから。
なぜ私はそれを知っているのだろう?
そんなことはどうでもいいことだ。
私は私の意志でここへとやって来て、
こうして彼女たちが麺を啜る姿を眺めている。
ここの店じまいの時刻は、
世界が滅びるときだという。
そうではなく、ここが店をしまうときが、
世界が滅びるときなのだ、と私は呟いてみる。
ふと、少女の一人が、激しく咳き込んだ。
私は何かの予兆を感じ、店を出た。
私は、ここを去り、ま
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