夢醒/雑魚ヒロシ
ようでもあった。
音も立てず、少女達が、麺を啜る。
麺は、
彼女らの口腔を抜け、
食道を通り、
胃に落ち、
音も立てずに、何処かへと消えてゆく。
彼女たちが咀嚼を繰り返すたびに、
代わりに彼女たちのからだから、
何か透明な欠片が剥落していくのが見えた。
いつものことながら、
私はそれを見つめ続けずにはいられない。
そう、何か、とても大きな使命が、
彼女たちをそこに縛り付けているように見えるのだ。
私が何時来ても、何時までもこうして麺を啜り続ける、
全くただそれだけの彼女ら美少女達のその所作に、
霧のように付きまとう大きな悲しみと闘争の傷跡が、
何故か、見て取れるの
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