エイフェックス・ツイン、永遠に(改稿)/由比良 倖
 
いろんな答え方がある」
「一番先に思い付くのは?」
「一番は良くないよ。三番目くらいがいい」
「一番は?」
「一番は、こういう言葉がある。初対面の女の子がエイフェックス・ツインを聴いていると、僕はその子と結婚したくなっちゃうんだ、って。いや、俺の言葉じゃないよ。一番目を正直に言ったまでだよ」
「は?」
 私のYに対する好感は、会話の気流に上っていって、よく見えなくなってしまった。こいつは絶対変なやつだ、近付かないでおこう。でもその時から私の中では生きている人間の「時間」が流れ始めた。そして、私は一時的にうまく踊れなくなった。

 Yとは何となく一緒に動物園に行った。彼がどうしても最
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