エイフェックス・ツイン、永遠に(改稿)/由比良 倖
 
いつも分からないんだ。その女の子がエイフェックス・ツインを聴いていたとするね。すると、僕は何か、何かなあ、人間と人間の間に普段は立ちふさがっているドアが開いたような気がするんだ。エイフェックス・ツインを聴く女の子って、一体どんな話をするんだろう、ってね。急いでコンタクトを取らなければならないような気がする。でもね、普通そんな機会ってあまり無いから。ごめん。だから君にも何か話題を用意出来ない自分を情けなく思っているんだけど、君と話してみたいとは思った訳なんだ。ええと……」
と、彼は早口になったり言い淀んだりしながら、何か要領を得ないことを言った。
「要するに?」
「要するに、ああ、それにはいろ
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