エイフェックス・ツイン、永遠に(改稿)/由比良 倖
るからだった。
それから、とにかく踊りたかった。誰に見せる訳でもない。私が消えるために。喪失するために。それは必要なことだった。エレクトロニカや、いろんな音楽の中に埋没すること。音楽そのものになること。人間的な時間とは違う「時間」を感じること。大切なことだ。そしてまた、その「時間」を届けたい、という思いがすぐに湧いてきた。音楽を作りたい、書きたい、と彼女は強く思った。
Yは、私が会って十年間、いろんなことを熱心に行っていた。一度ギターを始めると、ひとりでブルースのセッションが出来るくらいにまで上達したし、絵もとても上手に描いた。文章も非常に文学的な文章を、流れるように書くことが出来た。彼は
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