エイフェックス・ツイン、永遠に(改稿)/由比良 倖
が生きていることが当たり前のことのように感じられた。
オウテカに音楽を替える。エレクトロニカのミュージシャンたちは、確かな時間を知っている。人間が普段生きている(と思っている)のではない時間。そのことに沙恵は気付いていた。薬を飲んで、踊っていればその「時間」が訪れるのだった。
彼……Yと呼ぶことにしよう……に出会ったのは十年前、フリースクールでだった。フリースクールと言っても、そこは頭のちょっといかれた子供から大人たちまでが集まる場所で、病院と連携していて、何だろう、デイケアの若年層版みたいなところだった。朝、皆が集まると、めいめいのカードにスタンプを押して、それから一日中、特にするこ
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