泡(あぶく)/ホロウ・シカエルボク
う、なにもかも分かっているふりをすることも出来るだろう、でもそれは真実に一ミリも近付くことはない、空っぽの箱に豪華な飾りをつけるようなものだ、俺は現在の瞬間瞬間を結晶化したい、ただそれだけの為に血眼になっているのだ、おお、大型のプレス機のような波が大地を叩く、そして舌のように舐めて行く、そこにどんな言葉を付け足すこともない、初めからそいつらは詩なのだ、そして詩のままで生き続けて行く、俺は手の甲を噛む、薄っすらと血が滲む、俺にそれが出来ない理由は?短命過ぎる、小さ過ぎる、弱過ぎる、おそらく…でもそうでなければ、俺は詩であろうなんて考えもしなかっただろう、酷いパラドックスだ、星に自分の名前をつけるよう
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)