泡(あぶく)/ホロウ・シカエルボク
い、砂浜に長く居座ってはいけない、遺跡の中に飲み込まれたような気分になってしまうから、それが分かっているのに動き出せない、だから少しの間存在を諦める、それは悪くない気分だ、存在を自覚しているというのはすべてを背負う覚悟をするということだから…風はサーカスの、鉄球の中を走るバイクのように好きに吹く、あるがままに動くものたちは命を朦朧とさせる、それは、確か過ぎる、それは、大き過ぎる、それはあまりにも連綿と続き過ぎているのだ、一人の人間には絶対に知り得ないスケール、最大公倍数の三次元世界―何故こんなところに放り込まれたのだ、打ち消しても打ち消してもそんな言葉が脳髄をノックする、居直ることは出来るだろう、
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