蜥蜴の行方の先の素描/ホロウ・シカエルボク
完結しない、それはいつだってだらしなく垂れ流されていくものだ、澱みながらも少しずつ流れていく沢だ、俺たちはその流れの中で少しずつ欲しいものを掬い上げては検分しているに過ぎない、俺が何を言っているかわかるかい、すべてのことを確実に理解出来るなんて思わないことだ、真実には際限がない、掴んだと思ったものは次の瞬間には形を変えている、確信は変化を見落としてしまう、すべてを知ることなど不可能なのだ、それを自覚することだ、そうして、本当にそれを追い続けるというのなら覚悟を決めることさ、知るべきことはただひとつ、真実は出鱈目なんだということ、永久不変の形でなど在り得ないということだけなのさ、窓の外、狭い裏庭を隠
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