語の受容と解釈の性差について──ディキンスンとホイットマン/田中宏輔
ことに成功した。一つの言葉と他の言葉の間、うわべはまったく無縁にみえる二つの観念の間に、彼はその間にひそむ全系列をたてなおすことができ、また表にでておらずほとんど無意識的な諸観念のすき間を眩惑された人々の眼前でみたすことができる。彼は事象のあらゆる可能性とあらゆる蓋然的なつながりとをふかく究めた。彼は帰納から帰納へとさかのぼり、ついに犯罪をおかしたのは猿であることを決定的に立証するにいたる。
(ボードレール『エドガー・ポオ、その生涯と作品(初稿)』3、平井啓之訳)
「ふかい愛憐の気持から発しているものであるがゆえに、私ははばからずに語るのであるが、よっぱらいであり、まずしく、迫害され、のけ
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