語の受容と解釈の性差について──ディキンスンとホイットマン/田中宏輔
 
部良雄・豊崎光一訳)

今や何故、僕をとりかこむ怖るべき孤独のただ中で、僕がかくも良くエドガー・ポオの天才を理解したか、また何故僕が彼の忌わしい生活をかくも見事に描いたか、お分りになる筈です。
(ボードレールの書簡、母宛、一八五三年三月二十六日土曜日、阿部良雄・豊崎光一訳)

さらに、ボードレールが、ポオの『モルグ街の殺人』について述べているところを引用してみよう。わたしがポオの『ユリイカ』に魅かれた理由を、その言葉がより適切に語ってくれているように思うからである。


思考の極度の集中により、また悟性によるあらゆる現象の順を追った分析によって、彼は観念の発生の法則をものにすること
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