痩せた猿が誘蛾灯の下で/ホロウ・シカエルボク
な感じがする、と俺が続けると、ほんとそうなんですよね、と顔をしかめる、駐車場の端っこにでも置いとけばいいじゃない、と言うと、そうすると、汚い声で鳴き喚くんですよ、大変だね、と俺は返す、ええまったく、と店員、いっそあのまま川にでも放り込んでやろうかと思うんですけどね、と苦笑い、俺も笑って彼を労い、店を出た、あんた、ねえ、あんた、と猿がまた話しかけてきた、俺は少し立ち止まって少し話を聞いてやることにしたが少しも面白くないので五分もせずに飽きた、悪いけどもう帰るよ、と猿に告げ、まだなにごとか喋ってるのを無視してその場を立ち去った、それから二日間の休日を過ごし、数日の仕事をこなし、休日前の夜、あのコンビニ
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