鏡像 【改訂】/リリー
居者さん達と洗濯物を畳んでいる。
「なんで? ……」
私は、病室の人達にベットで腰掛けてもらいポリバケツで足浴をしてもらっ
ていたのだ。石野さんの足を、湯の中でさすりながら尋ねてみる。
「優しいんやって……。素直やし、正直っていうかぁ。組織に向いてないと
思うねんなぁ。もっと、あだっさんを生かせる働き方がある様な気がする
んや」
「向いてないかなぁ……」
「うん」
「ミズノちゃんは、なんで高齢者福祉を選んだんや?」
「あたしは……専門学校入って、コース選択したらたまたま。障害者福祉で
もよかったんですけどね。あだっさんは?」
「ん……。あたしは最初ボ
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