鏡像 【改訂】/リリー
 
持ちは
 あっても、身体への負担が大きい様で今回ご迷惑をお掛けしてしまったと、
 私と一緒に頭を下げてくれたのだった。
 「いえ、いつもよくやってくれているので。疲れが出たのでしょう。何も
 心配せず、ゆっくり療養してください」
 主任は、容態の経過をうかがうと私達へ笑い掛け早早に立ち去った。この
 時、もし叔母が居なければ主任は私へ個人的に伝えたい事があったのだろ
 う。退院後思い返せば、その様にも推察出来る。

  職場へ心苦しい想いのあるまま退院してすぐに出勤すると、朝礼の後で
 新館の寮母室へ呼び出される。五十代のベテラン二人も席に着く前で
 「ここは、あんたのいる所
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