violet/パンジーの切先(ハツ)
 
ように見えていただろう)。そして、そんなふうな女の子は他にも6人、多いときは8人くらいいた。そして、すみれちゃんといるには、とてもたくさんのがまんが必要とされることを、その全員が、知っていていた。もちろん比喩として、海の、急に深くなる場所、脚がすっと沈み込んでいく場所のぎりぎりへ、すみれちゃんは、わたしを追いやっていくようなそういうひとだった。週に一度あるお弁当の日、多くの場合、わたしのお弁当は、すみれちゃんからわたしのもとへ、ナゲットと、デザートのオレンジや苺を欠いた姿でもどってくる。わたしはどうしていいかわからずに、泣きそうになりながら、おどける。ガビョーン!と声をあげて、自分の頭を叩いて、痛
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