失くした頁ほど読み返したくなるものだから/ホロウ・シカエルボク
 
つらの何人かは俺を神輿に乗せたがってる、そして俺はいつだってそこから降りることを―いや、そこだけの話じゃない、あらゆる場所から降りてひとりきりになることを考えているのさ、書くということはもっともシンプルな行為だ、虚栄心や下心はそこには存在しない、誰だってそうじゃなくっちゃおかしいだろ、もちろん時々にはそんな厭らしさを持った人間も現れるよ、でもすぐに居なくなるんだ、そんなやつに出来ることは限られているからね…すれ違いざまに肩をぶつけていくやつら、なあ、それでおしまいなのかい、まるで面白くないぜ?女が倒れた場所にはすでに人だかりが出来ていた、たくさんの人間が彼女の死を撮影していた、彼らの携帯のフォルダ
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