失くした頁ほど読み返したくなるものだから/ホロウ・シカエルボク
 
にも立つことが出来ない、逃亡を誇らしく装うやつら、俺は唇を歪めて次の一行を探す、世界が生まれる瞬間、沸騰する血液の泡がイマジネーションによって記録される、音符の存在しない楽譜、日本語はそれだけでグルーブに成り得る、先端が刃物に変わる津波のようなものだ、すべてが切り刻まれてばら撒かれる、新天地に根を張る種、探し続ける者にしか伝わらない寓話さ、覚悟?俺の覚悟はすでに出来ている、それはいつか道端で薄汚れてのたれ死ぬだろうという運命を受け入れる覚悟さ、路地裏で死んだ薄汚い女へのシンパシー、詩書きなんて性病持ちと同じくらいの価値しかない、それでもまだ見たことの無い一行を書きたがるやつがたくさん居て、そいつら
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