いつまでも少年のままでいられたものならば/板谷みきょう
十代の頃、坊主頭のボクは
がなるように
歌うしかなかった
裡に潜む得体の知れない
悶々とした想いの捌け口を求めて
形に
言葉に
縋りながら歌っていた
生活の為に地方テレビ局で
リポーターをしていた
売れないフォーク歌手の
地方回りの前座に
地元のシンガーとして
抜擢されてから
全道各地のライブの時に
前座でボクを使ってくれ
そして
出演料として小遣をくれた
当時のボクは
それだけの価値のある歌を作り
歌っていると思っていた
そこで
舞台表現についてを教わり
地元の歌手や
各地のお店を紹介して貰い
師匠として尊敬もした
それは
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)