仮定/ひとつの言い訳(死を下見して)/アラガイs
 
せいであたまの中が廻りはじめます。どうやら熱いウォッカと血の塊が喧嘩をはじめた様子です。ぜえぜえ〜と息づかいも荒く足もとがふらついてきました。後ろからピカッとライトも眩しく道路を照らしながら猛スピードでトラックがやってくるようです。危ない!咄嗟に危険を感じたので少しだけ横にずれていきます。 これは独白ですよ。 精一杯倒れ込むのを我慢しながら、なんとか右手を高く上げてドアにあるポストの中へ手が届きました。配達修了! そのまま膝から横倒しに倒れていきます。ガチン!とヘルメットが音を立てて外れた様子でした。冷たい冬の風が剥き出しになってしまった髪の毛を揺らし、やわらかな肩の生地が頬に擦れて気持ちがいい。
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