寄り道の先の亡霊/ホロウ・シカエルボク
 
も繰り返すことが出来るのさ、ひとりの人間が生まれてから死ぬまでまったくおんなじそいつだなんて馬鹿げた話だと思うぜ、俺は口笛を吹きながら住処へ向かう道を歩いた、急ぐ気はなかった、寄り道の話はもうしたよね?そう、俺は寄り道をするのが以上に好きな人間なんだ、そのせいで見る必要もないような光景を見ることもあったけれど―ひとつ凄く強烈に覚えてる景色があるんだ、その話聞いてくれるか?これは以前詩に書いたことがあるんだけど、この話をもう一度したいわけってもんがあるのさ、もう何年前だろう、四年くらいは前の話かもしれない、その頃俺は割と家から近いところで仕事をしていてね、だから毎日歩いていたんだ、家と職場の間をね、
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